タオル帽子:がん患者に手作り 岩手ホスピスの会、全国48病院へ4000個 /岩手
毎日新聞 2015年11月06日 地方版
がん患者のため、手縫いされた赤や青のタオル帽子の発送作業に取り組むボランティアら=盛岡市松尾町の河南公民館で
抗がん剤治療などで脱毛に悩むがん患者を支援しようと、盛岡市のボランティア団体「岩手ホスピスの会」は4日、クリスマスプレゼントとして手作りのタオル帽子4000個を全国48カ所の病院に発送した。会の担当者は「これからも必要とする人の元へ、作り手の思いと共に届け続けたい」と話す。
タオル帽子の取り組みは、会の呼びかけで2008年に始まった。がん患者や遺族など県内のボランティア約30人や賛同企業の社員らが、新品のフェースタオル1枚から手縫いで作製。毎年6、11月の年2回発送しており、これまでに約6万6000個を全国のがん患者に無料で寄付している。通気性が良く、洗濯できることなどから、患者のニーズが高いという。
今回の取り組みには、「東京海上日動あんしん生命」(東京都千代田区)の社員が1350個の作製に参加したという。発送作業を前に、同社専務の高野耕一さんは「私も不器用ながら2時間弱で作った。少しでも闘病生活の安らぎになれば」とあいさつ。会のボランティアや同社の社員約30人は1袋に50個ずつ梱包(こんぽう)し、発送作業をしていた。
会の事務局長を務める吉島美樹子さん(54)は「実用性のあるささやかなプレゼントで、患者と家族をサポートしていきたい」と話している。会はフェースタオルの寄付を募っている。問い合わせは吉島さん(電話080・1658・1762)。【近藤綾加】