岩手県南3市町の子供たちの健康調査実施を求める要望書へのご賛同のお願い
(県南3市町:一関市、奥州市、平泉町)
賛同団体のおねがいを申し上げます。
一昨年の東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故による放射能汚染の影響で、岩手の県南では、場所によりますが、グラウンドなどでも土壌汚染が表層5cmで4000?5000ベクレル/kgなどと深刻なホットスポットが形成されています。
全国的に健康診断を強化してほしいですが、ホットスポットのようなところでは早急に健康調査をやり対策を練って欲しいと思います。
県への要望書提出のため、賛同団体を募集しています。
県南の子供たちを放射能汚染による健康被害から守るため、できましたら是非ご賛同をお願いいたします。
なお、他に賛同していただけそうな団体をご紹介いただければ幸いです。
岩手ホスピスの会 代表 川守田裕司(盛岡市)
盛岡市志家町13?31
電話090-2604?7918
E-MAIL: hospice@eins.rnac.ne.jp
http://hospice.sakura.ne.jp/
2013年9月
岩手県知事
達増 拓也 様
岩手県南3市町の子供たちの健康調査実施を求める要望書
子どもたちの未来を考えよう平泉の会(平泉町)
放射能から子供を守る岩手県南・宮城県北の会(一関市)
岩手ホスピスの会(盛岡市)
三陸の海を放射能から守る岩手の会(盛岡市)
他連名 団体:後掲
日頃より震災復興並びに県民の福祉向上のためご尽力いただき感謝申し上げます。
昨年11月21日に、三陸の海を放射能から守る岩手の会、子どもたちの未来を考えよう平泉の会、岩手ホスピスの会ほか県内外23団体で岩手県に「岩手県南3市町の子供たちの甲状腺検査実施を求める要望書」を岩手県に提出しました。
その回答を昨年12月19日付で県からいただいたところですが、甲状腺検査については、国の対照検査(青森・山梨・長崎県)結果を踏まえて対応したい」という回答でした。
本年6月5日、岩手県保健福祉部医療推進課にその後の経過を聞いたところ、「その件につきましては環境省が今年3月29日付で調査結果を報道発表しており、対照検査の結果、福島県と他県とで特異的な差が見られない、ということで、近々有識者会議を開催して検討する予定だが、開催日程は未定」、というご返答でした。
ところがちょうどその日の東京新聞(資料1)に「甲状腺がん『確定』12人 福島の18歳以下、9人増」の記事が掲載されました。子どもたちの甲状腺がんの発生率は福島県以外の対照3県で上昇したということは聞いていませんので、甲状腺がんについては福島県と対照3県とで特異的な差異があると言わざるを得ません。ふつうは日本人(19歳以下)100万人に1〜2名のがん罹患率であり、福島県の2011年度約4万人に7人〜11人、2012年度13.4万人当たり5〜16人という数値自体を問題視せざるをえません。したがって今回実施された3県の対照調査の信頼性に疑義を抱いております。このような理由で放射線量の高い岩手県南の子供たちへの影響について改めて大変心配しているところです。
また、6月7日には茨城県、千葉県北西部、埼玉県南東部にある36の市民団体からなる「放射能から子供を守ろう関東ネット」が、同地域に住む子供の健康調査を国に求める請願書と約3万7千筆の署名を衆参両院20人の国会議員に提出したとのことです。(資料2)
さらに、6月26日NHKニュースによると、茨城県東海村では新たに5人の子供たちに甲状腺の「精密検査が必要」(資料3)という事態となっております。
一方、5月27日の国連人権理事会への報告で、特別報告者として国連から選任されたアナンド・グローバー氏は、日本政府に対して健康調査に関する7つの勧告を出しておりますが、そのなかのひとつに「甲状腺検査のフォローアップと2次検査を、親や子が希望するすべてのケースで実施すること」とあります。また、同氏は、「子どもの健康調査は甲状腺検査に限らず、血液、尿検査を含むすべての健康影響に関する調査に拡大すること」とも勧告しております。(資料4)
以上のような情勢を踏まえ下記の通り要望いたします。
記
1.今後も岩手県内(特に線量の比較的高い県南部を重点的に)の子供たちの尿中放射性物質サンプリング調査を詳細に継続して行い、そのデータを公表していただくこと。
2.県内でも比較的高濃度の空間線量が計測された県南地域の子供たちについて重点的に甲状腺検査のフォローアップと2次検査を、親や子が希望するすべてのケースで実施していただくこと。また、子どもの健康調査は甲状腺検査に限らず、血液、尿検査を含むすべての健康影響に関する調査に拡大していただくこと。
3.がんの予防という観点からも、この問題を大人のがん検診推進と同等に、今後の岩手県がん対策推進計画の一環として位置付け、対がん協会、医療者、患者団体、など岩手県民一体となって子どもたち、ひいては私たちの子孫を守るという立場に立って取り組みを強化していくこと。
以上につきまして、ぜひともご検討をお願いいたします。
連絡先 岩手ホスピスの会 代表 川守田裕司
〒020?0883 岩手県盛岡市志家町13?31
Tel:090-2604-7918 fax:019-653-6447
E-MAIL: hospice@eins.rnac.ne.jp
連名団体(8月2日現在)
子どもの笑顔を守り隊(平泉町)
一関地域の緩和ケアを考えるリボンの会(一関市)
里山生活学校(奥州市)
岩手県原爆被害者団体協議会(岩手県)
岩手有機農業研究会(盛岡市)
クランボンの会(矢巾町)
ハチドリかあさんの会(北上市)
がん家族の会・おでんせの会(北上市)
子どもと海と空の会(花巻市)
お産ぽ通信(花巻市)
お産と地域医療を考える会(花巻市)
子どもに豊かな未来とふるさとを残す会(宮古市)
らんきゅう・婦人科がん患者会(宮古市)
ブドリとネリの会(盛岡市)
子供たちの放射線被ばく低減化を推進する盛岡の会(盛岡市)
春を呼ぶ会(盛岡市)
無限洞(盛岡市)
緑の党いわて準備会(岩手県)
小林産婦人科院長 小林高(盛岡市)
県外
核燃サイクル阻止一万人訴訟原告団(青森県)
放射能を拡散させない市民有志の会(秋田県横手市)
震災復興プロジェクト(宮城県)
原子力資料情報室(東京都)
三陸のさんま・わかめを愛する会(東京都)
時を、見つめる会(神奈川県)
母乳調査・母子支援ネットワーク(愛知県)
未来につなげる 東海ネット(名古屋市)
市民放射能測定センター(Cラボ)(名古屋市)
NPO法人 伊賀・水と緑の会(三重県)
子供たちを放射能から守る・八尾の会(大阪府八尾市)
子どもの食と健康を考える会・貝塚(大阪府貝塚市)
放射能から子どもと未来を守る市民の会(大阪市)
Oracle itami?ポスト3.11を避難者と共に考える伊丹市民の会(兵庫県伊丹市)
子どもたちの未来と環境を守る会ひょうご(兵庫県)
子どもの未来を守る会・生駒(奈良県生駒市)
子供たちを放射能から守る・生駒の会(奈良県生駒市)
ノーモア放射能とやまネットワーク(富山県)
命のネットワーク・呉東(富山県)
資料1甲状腺がん「確定」12人 福島の18歳以下、9人増
東京新聞2013年6月5日
東京電力福島第一原発事故による放射線の影響を調べている福島県の県民健康管理調査で、十八歳以下で甲状腺がんの診断が「確定」した人が九人増え十二人に、「がんの疑い」は十五人になった。
これまで一次検査の結果が確定した約十七万四千人の内訳。五日に福島市で開く検討委員会で報告される。検討委の二月までの調査報告では、がん確定は三人、疑いは七人だった。
これまで調査主体の福島県立医大は、チェルノブイリ原発事故によるがんが見つかったのが、事故の四?五年後以降だったとして「放射線の影響は考えられない」と説明している。
甲状腺検査は、震災当時十八歳以下の人約三十六万人が対象。一次検査でしこりの大きさなどを調べ、軽い方から「A1」「A2」「B」「C」と判定。BとCが二次検査を受ける。
二〇一一年度は、一次検査が確定した約四万人のうち、二次検査の対象となったのは二百五人。うち甲状腺がんの診断確定は七人、疑いが四人。ほかに一人が手術を受けたが、良性と分かった。
一二年度は、一次検査が確定した約十三万四千人のうち、二次検査の対象となったのは九百三十五人、うち診断確定は五人、疑いが十一人。
資料2東日本大震災:福島第1原発事故 「子供の被ばく対策を」 市民団体関東ネット、衆参に3万7000人署名 /千葉 毎日新聞 2013年06月14日 地方版
千葉県北西部、茨城県、埼玉県南東部の母親でつくる市民グループ「放射能からこどもを守ろう関東ネット」(増田薫代表)は、関東地域の被ばく対策強化を求める約3万7000人分の署名を衆議院と参議院にそれぞれ提出した。
同グループは▽子供や妊婦の継続的な健康管理調査などの実施▽被ばく検査結果の全ての開示と説明▽原発事故に伴う子供らの不安解消を図る「原発事故子ども・被災者支援法」の地域指定−−を求め、今年3月から署名活動を開始。衆議院向けに3万6815人分、参議院向けに3万6665人分の署名を集めた。
増田代表らは7日、国会内で復興庁や環境省の担当者とも面談し、学校健診での被ばく検査実施なども要請した。増田代表は「原子力政策を進めてきた国が被ばくした子供の健康を見守るのは当たり前だ」と訴えた。【田中裕之】
資料3新たに5人が「精密検査が必要」 6月26日 13時33分 NHKニュース
・東京電力福島第一原発事故を受けて東海村が子どもを対象に行っている甲状腺検査の結果、新たに5人が「精密検査が必要」と診断されたことがわかりました。
・東海村は、原発事故を受けて去年11月から村に住む中学生以下の子どもおよそ6000人のうち希望者を対象に甲状腺のスクリーニング検査を行っていて、優先的に行った2歳から6歳までの子ども410人について東海村は今年3月、310人が「異常なし」、98人が「経過観察」、2人が「精密検査が必要」としていました。
・その後、東海村が新たに578人の子どもを検査した結果、441人が「異常なし」、132人が「経過観察」、5人が「精密検査が必要」と発表し、精密検査が必要と診断された子どもはあわせて7人にのぼりました。
・これについて東海村は「原発事故との因果関係は分かっていないので過度に恐れないでほしい」と話しています。
資料4 アナンド・グローバー氏の報告書
ジュネーブの国連機関の一つである国連人権理事会(UNHRC)は、あるテーマで人権侵害が危機にさらされている場合、特別報告者にその国での調査の権限を与える。
今回独立専門家であるアナンド・グローバー氏は、特別報告者として国連から選任され、テーマの一つ「健康に対する権利」について調査するため2012年11月、原発事故後の日本を訪れた。
政府関係者、医療関係者、避難者、原発労働者、NGOなどから事情聴衆し、報告書を作成。第23回国連人権理事会の定期会合で2013年5月27日に発表した。
報告書は、ヨウ素剤の配布、甲状腺調査、除染政策、原発作業員の健康、妊婦と出産調査など75項目の調査結果、及び76?82項目の勧告から成る。
東日本大震災:福島第1原発事故 健康調査は不十分 内部被ばく検査拡大を勧告−−国連報告書 毎日新聞 2013年05月24日 東京夕刊
東京電力福島第1原発事故による被ばく問題を調査していた国連人権理事会の特別報告者、アナンド・グローバー氏の報告書が24日明らかになった。福島県が実施する県民健康管理調査は不十分として、内部被ばく検査を拡大するよう勧告。被ばく線量が年間1ミリシーベルトを上回る地域は福島以外でも政府が主体になって健康調査をするよう求めるなど、政府や福島県に厳しい内容になっている。近く人権理事会に報告される。
報告書は、県民健康管理調査で子供の甲状腺検査以外に内部被ばく検査をしていない点を問題視。白血病などの発症も想定して尿検査や血液検査を実施するよう求めた。
甲状腺検査についても、画像データやリポートを保護者に渡さず、煩雑な情報開示請求を要求している現状を改めるよう求めている。
また、一般住民の被ばく基準について、現在の法令が定める年間1ミリシーベルトの限度を守り、それ以上の被ばくをする可能性がある地域では住民の健康調査をするよう政府に要求。国が年間20ミリシーベルトを避難基準としている点に触れ、「人権に基づき1ミリシーベルト以下に抑えるべきだ