盛岡市の岩手ホスピスの会(川守田裕司代表、会員約710人)は1日、がん患者のためにボランティアが作ったタオル帽子約3500個を、全国57カ所のがん診療連携拠点病院へ発送した。このうち約500個は、震災の被災者らによる手作り帽子。この日の作業にも、仮設住宅の入居者や内陸避難者6人が参加した。復興へと奮闘する被災者の励ましの帽子は、がんと闘う全国各地の患者に間もなく届けられる。
陸前高田市竹駒町の上壺仮設から参加した菊池裕子さん(51)は「高田タオル帽子の会」を組織し、製作に励んできた。菊池さんは「患者さんの痛みが和らぐようにと願いを込めている」と話し「(震災支援には)感謝してもしきれないくらい。恩を返さなくては」と決意を込めた。
同会の吉島美樹子事務局長は「(沿岸からの帽子製作を)力強いと感じる。何か人のために行うことは、自らの心の復興につながる面がある」と強調する。
【写真=タオル帽子の袋詰め作業に精を出すボランティア】
岩手日報(2013/06/02)