5月5日午後から福島県南相馬市鹿島区寺内第二仮設住宅(40戸)を訪問し、岩手ホスピスの会3名で、集まってくれた約20名の方たちに、血圧チェックと健康相談、傾聴、コーヒーサービス、タオル帽子配布を行いました。
同仮設住宅の入居者の平均年齢は70~80歳で、多くの子供さんやお孫さんたちは他県に移住して、もう福島には戻らない、と言っているそうです。皆さん意外に明るく、楽しくお話しましたが、原発が爆発して命からがら逃げてきた話になると、「さきの戦争の時より恐ろしかった。そして今は放射能に汚染された家にも戻れず、この仮設住宅で死ぬのを待つだけだ」とおっしゃって涙ぐむ方もいらっしゃいました。
岩手から車で片道4時間の遠い道のりですが、ぜひまたお伺いしたいと思っています。
.最近気付いたことですが、原発事故と水俣病は非常に似た経過をたどっていると思います。
水俣でも、住民に被害が出ても会社は水銀を海に流し続け、国も県もわかっていながら何もしてくれなかったそうです。(海への放射能汚染水放出)、
水銀に汚された海をきれいな海に戻すための工事の受注、利権の争い(瓦礫処理、除染)、
患者さんと患者でない人との争い、いがみ合い(放射能汚染から逃げたい人とそうでない人との確執)...etc。
そのような中で、水俣病では、「患者さんから学ぶ」姿勢を徹底して貫いた原田正純先生というお医者様がいらっしゃいました(故人)。
この姿勢はどの医学分野でも大切なことですが、殊に水銀や放射線など環境汚染物質については、この「患者さん(住民)が先生」という姿勢なしに、医師がその健康影響について語る資格はないと思います、というつぶやきをツィッターで見ました。本当にその通りだと思います。この姿勢を決して忘れないように活動して行きたいと思います。