岩手ホスピスの会(川守田裕司代表)など県内の三つのがん患者団体は6日、矢巾町に移転する岩手医大付属病院に緩和ケア病棟の設置を求める要望書を、同付属病院の酒井明夫院長に提出した。
酒井院長は「設置の可否も含め、前向きに検討したい」と回答。がん医療の充実を求める患者団体に期待感が広がった。
各団体の5人が同付属病院を訪問。川守田代表は「一人でも多くの患者が充実した緩和ケアを受けられるよう、病棟の設置をお願いしたい」とし、
▽専門医を常駐させ、看護師らのスキルアップにも配慮する
▽心のケアにも重点を置く
▽家族サロンも併設する―など計11項目を求める要望書を読み上げた。
県によると、緩和ケア病棟を設置しているのは孝仁病院(盛岡市・10床)、盛岡赤十字病院(同・22床)、県立中部病院(北上市・24床)、美山病院(奥州市・20床)、県立磐井病院(一関市・24床)の5病院(計100床)。
沿岸は県立釜石病院の緩和ケア病床4床、県北は県立久慈病院の同6床と県立二戸病院の同2床にとどまる。
岩手日報(2013/03/07)
岩手ホスピスの会、がん患者と家族の会・かたくりの会、乳がん患者の会・アイリスの会は3月6日岩手医大において、矢巾町に移転する岩手医科大学附属病院への緩和ケア病棟設置要望書を提出しました。盛岡医療圏は他地域と比較してがん患者数が多く、また、県北、沿岸部には緩和ケア病棟が行き届いておりません。1人でも多くの患者さんが充実した緩和ケアを受けられるよう要望しました。その他【要旨】より抜粋
1.緩和ケア病棟は病院本館とは別棟として独立型平屋で、患者さんのためにどの部屋からも庭に出られるよう配慮されること。
2.パストラルケア(宗教的ケア、霊的ケア)にも積極的に取り組み、がん患者さんやそのご家族の心のケアに配慮されること。
3.緩和ケア病棟はレスパイトケアも行える施設とし、患者さんやご家族に役立つよう配慮されること。
4.ホスピスボランティアも活動可能とし、患者さんやご家族に役立つよう配慮されること。
5.認知症などで、その場では意思表示できない患者さんでも、過去に緩和ケア病棟を利用したい、という意思表示をしていた方には、できるだけそのことに配慮されること
6.設置される緩和ケア病棟は医療費を定額制にして、麻薬の使用量が多い患者さんなどにも配慮されること。
7.病棟には無料ベッドも設置し、差額ベッド代の支払いが困難な方にも配慮されること。