会員さんからのお便り3

2012年9月 5日

福島市在住、斎藤光子さんよりお便りをいただきました。ご本人の了解を得て掲載いたします。

震災から2度目の暑い夏。子供たちの夏休みも間もなく終わりです。去年、今年と近くの河原で遊ぶ子供の声も姿もありません。野球、サッカー、魚釣り、いまは伸びた雑草だけが風にゆれています。この川は、震災で断水となった次の日から、トイレの水として多くの人が利用したところです。原発事故の日も放射能が降る中、何も知らずに川の水を持ち帰っていました。水道が回復するまで毎日水汲みをする人々の姿がありました...
......。そんな場所で遊ぶ子供は今はいません。家の中でゲーム、夏休みだけの避難、屋内遊技場での遊び、本当に子供たちの姿はぱらぱらと少なく寂しいかぎりです。将来の福島を見ているようです。たまに子供の声が聞こえてくると自然と目がそちらに向きます。なんとなくほっとして声をかけたくなります。

「花は咲く」という復興ソングの中に「私は何を残しただろう」との歌詞がありますが、本当に子供たちに何をしてあげられるのか、何を残せるのかを考えてしまいます。山積みしている原発の問題と後処理が子供たちの背にのしかかってくると思います。本当に原発は必要でしょうか。第二の福島県が出ませんように望み願っています。
福島の子供たちは、あの事故から少し大人になったように思います。ただ無口で静かなだけなのか、それとも暗いだけなのか、でも人を思いやれるような大人になったように見えます。
大人も子供も心の中に苦しみと暗闇を持ち合わせているようです。青空の下で大声で笑い、食べてほしいです。いつかそんな日が来ると信じております。
狭い室内遊技場でなく、手足を伸ばして河原を駆け巡って欲しいものです。
明日の子供たちの幸せを祈る今日この頃です。
                                             屋内遊技場で遊ぶ福島市の子供たち
                                             (写真・斎藤光子さん提供)

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