まもなく震災から一年、この冬の寒さは一段と身に凍みる厳しい年になりました。岩手・宮城の復興は目に見えて力強く進んでいるのがわかります。うらやましい限りです。
福島県はいまだに先が見えません。方向性が誰にもわかりません。放射能による汚染がすべて邪魔をしております。風の流れによって広い地域に拡散されました。多くの若い人たちが他県に流出しております。また、風評被害にも苦しんでおります。ひとつの食品検査でセシウム値が高いとすべての食品が高いと誤解されているようです。このような捉え方をされると、農業・漁業とも成り立たずたまったものではありません。店頭で売られているものは、検査したもので安全であると思います。
福島県民に、いったい何の罪があるのでしょう。わたしたちは、風評被害にただ耐えるのみです。個々が受けている嫌がらせにも耐えています。福島県民は、ばい菌でも汚いものでもありません。放射能は移るものではないはずです。おなじ日本に住む人間です。日本人です。このことをご理解いただきたいと切に願います。
政府・東京電力は、多くの人々の助言を無視し、津波対策をせず利益を優先させました。その結果が、放射能という重荷を福島県民に背負わせています。
福島県民は、補償やお金を望んでいるわけではありません。以前の普通の暮らしを取り戻したいだけです。福島県は、自然豊かで静かな美しいところです。政府・東電には一日も早く除染して美しいふるさと福島を返してくださいと、切に願っております。
福島のことを思うと涙が出てきます。家族のことを思うと切なくなってきます。声にならないむなしさを感じています。
怒りを超えてあきらめに近い気持ちもあります。人々の苦悩する顔を見ると、悔しさでいっぱいになります。かといって私たちにはどうすることも出来ません。福島県の3分の2の地域が、復興するのに原発が邪魔をしています。原発が廃炉更地になるまでに40年以上かかるといわれています。私としてはもっともっと長い年月がかかるだろうと思っています。
この震災で亡くなられた人々の魂や被災された方々のことを忘れることなく、これからの日々を暮らしたいと思っています。まだまだ私の作るタオル帽子は少ないですが、ホスピスの会に出会えたことに感謝し、これからもタオル帽子作りを続けていきたいと思います。
S・T様 貴重なメッセージ本当にありがとうございました。私たちもささやかながら被災地支援をしている立場として、S・T様はじめ福島県民の方々の思いをしっかりと胸に刻み、今後の活動に少しでも役立てて行きたいと思います。 岩手ホスピスの会