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岩手ホスピスの会これまでの活動
ホスピスの設置を願って
岩手ホスピスの会は2002年に設立されました。
この会を設立したきっかけは、私の家族が激しいがんの痛みに苦しんで亡くなったことからでした。
不幸にして緩和ケアを受けられず死んでいきました。
岩手にもがんの痛みを和らげるホスピスが欲しい、という思いに賛同してくれた患者会などの方たちと会を結成し、署名活動やホスピスの啓蒙活動を行って来ました。
家族を看取ってもっとも強く感じたことは、一生懸命生きてきた
人間が人生の最後でなぜこんなに苦しまなければならないのか、
ということでした。しかし、私の家族のような体験は今でもけっして珍しいことではなくて、この日本においてがんの痛みに苦しんでいる患者さんがまだ大勢いる、そう思って活動を続けてきました。
私たちは2003年に岩手にホスピスを願う街頭署名活動と県知事への 提出を行いました。
また、2004年には岩手県議会に提出した「岩手県での緩和ケアな どの医療の充実と施設整備の促進を求める請願」が全会一致で可決されました。その他、苦しむ患者さんに少しでも役立ててもらおうと様々な取り組みを行ってきました。
がんの痛みの9割は確実に取れるほど医学は進展している。
しかしお医者様たちの半数 近くが、がんの痛みを適切に取るための基本であるWHO方 式を知らず、多くの患者さんが痛みがとれず苦しんでいる、 という報告があります。
このような中で2009年から、がん診療に携わるすべてのお医者様を対象にした緩和ケア医師基本研修が全国で実施されることになったことは、緩和ケアの充実を願って活動してきた私たちにとって大変嬉しいニュースでした。
幸いにも、現在 岩手に5つのホスピスが設置されております。
更に一般病棟でも緩和ケアが浸透し、一人でも多くの患者さんが痛みから解放されることが私たちの願いです。
また、患者さんに笑いと 希望を与え続ける樋口強さんの「がんを生きる―いのちの落語講演会」を5年間継続して開催してきたことをきっかけに、がん患者さんとそのご家族の支援活動にも力を入れています。
抗がん剤の副作用で脱毛に苦しむがん患者さんを支援するためにスタートした「タオル帽子」作りの取り組みは、大変大きな反響を呼び、帽子を作るボランティアさんも増え続けています。多くの患者さんやご家族がこの活動に共感してくれ、全国各地に帽子を送っています。活動を通して一番感じたことは、全国には数多くのがん患者さんが埋もれていて、皆孤独に病と闘っていることです。
でも、タオル帽子を通して、私たち患者や家族は何か少しでも助け合うことができるのではないか、と思いました。
岩手ホスピスの会の現状
【岩手ホスピスの会】
- がん患者・家族・医療者の相互支援団体
- 設立:2002年12月
- 会員数:500名(2014..12現在)
◎目的
- ホスピスや緩和ケアの推進により、がん患者と家族が身体と心の苦痛から解放されるため互いにサポートを行うこと
◎主な活動
- 患者・家族のサポート活動
- 緩和ケア・ホスピスケアの推進を、行政やマスコミなどへ患者・家族の立場から要請
◎詳細
- 抗がん剤の副作用で脱毛に悩む患者さんにタオル帽子を贈る活動
- がん相談ホットライン開設
- ホスピスボランティア養成講座開講
これからの活動
岩手ホスピスの会は多くの会員さんやボランティアさんに支えられています。
どのような場合でも必ず、もっとも弱い患者さんの立場に立って考えることを基本に、これからも活動を続けて行きたいと思います。
代表 川守田裕司