盛岡市のがん患者会盛岡かたくりの会、乳がん患者の会アイリスの会、当会の三団体は、盛岡市での一部がん検診の実施を要望する文書を、12月9日に盛岡市保健所健康増進課に提出しました。
全国の自治体が健康増進法に基づき実施しているがん検診について、全国の道府県所在市と政令市、東京23区の計7市区にアンケートしたところ、盛岡市と秋田市のみが新型コロナウイルスの影響で一部検査(盛岡市は大腸検査と胃の内視鏡検査)を実施できないまま、今年度の実施を断念した、という記事が11月16日付の毎日新聞に掲載されました。
このことを知って私たちは、
1.なぜ全国74市区の中で盛岡市と秋田市のみ実施できないのでしょうか。
2.コロナ禍で医療現場も行政サービスも疲弊されていることは承知しているが、どこに住んでいても検診の機会は平等に確保されるべきであり、一人でも多くの市民が昨年度と同様のがん検診を受けられるよう、一日も早い盛岡市での一部がん検診の実施を希望します。
-というポイントに絞り、要望書を作成しました。
提出の際対応した盛岡市保健所健康増進課・澤口佐知子課長と松澤卓也主査は、
1.この件について盛岡市医師会から、一部検診を控えるべきという提言書を受取っている。
2.この検診を行うと保険診療に影響が出る。保険診療を守るために一部検診実施を断念した。
3.2以外のその他様々な事情の中で今年度の一部検診実施を断念した。
4.全国での検診実施状況は毎日新聞の独自調査だが、我々も現在全国の検診状況を調査中。
5. 大腸検査などは市によっては2年に一回のところもあり、全国一律ではない。
6.市民の方々は自分の体調に敏感になり自覚症状があれば自主的に検診を受けてください。
7.開業医での検診を受ければ、開業医から専門病院への連携体制は確保している。
-等と回答しました。
なぜ全国で盛岡市と秋田市のみなのかについて納得できる明確な説明はなく、「今年度中の実施も検討していない」という回答でした。
「それ位盛岡市の医療体制はひっ迫しているのか。」「保険診療を守るためとして、すでに医療・治療の優先度決定と選別が始まっているのでは?」という不安を感じました。
回答を受け、今後患者会として何ができるのか、相談していきたいと思います。