県に子供たちの甲状腺検査実施などを要望

2012年10月10日


P1040184.JPG7月11日、第11回岩手県がん対策推進協議会に参加しました。
今年5月に、岩手県産婦人科医会会長の小林高先生他2名が岩手県に対して、県内でも放射線量が高い地域の子供たちの尿中放射性物質サンプリング調査と甲状腺検査の実施継続を要望しました。
先生の「子供たちの放射線による健康被害を全力をあげて食い止めたい」という言葉に強く共感し、県内患者会に呼びかけ、同協議会において、7団体(岩手ホスピスの会、がん患者と家族の会かたくりの会、乳がん患者会・アイリスの会、がん患者と家族の会かたくりの会・宮古支部、がん家族の会・北上おでんせの会、一関地域の緩和ケアを考えるリボンの会、らんきゅう・婦人科がん患者会)を代表し、下記の通り県に要望しました。

 

 

 

1.今後も岩手県内(特に線量の比較的高い県南部を重点的に)の子供たちの尿中放射性物質サンプリング調査を詳細に継続して行い、データを公表していただくこと。

2.上記尿中放射性物質調査において放射性物質が検出された子供たちについて、常時給食を摂取しているか否か、健康状態調査、居住地はどこか?などもあわせて調査を行い、公表していただくこと。

3.県内でも比較的高濃度の空間線量が計測された県南地域の子供たちについて重点的に甲状腺検査を実施し、結果を公表していただくこと。

4.がんの予防という観点から、この問題を今後の岩手県がん対策推進計画の一環として位置付け、岩手県民一体となって子どもたち、ひいては私たちの子孫を守るという立場に立って取り組みを進めていくこと。


      
上記要望した件について、7月25日に岩手県保健福祉部長様より郵送でご回答をいただきました。


1.
子供たちの尿中放射性物質サンプリング調査継続に関しては意義があり、継続検査の方法について検討していただけるそうです。
2.
放射性物質が検出された子供たちについて、さらに詳細に健康状態調査などを行っていただくことについては、残念ながらセシウム検出量が低くその必要性はないというご回答でした。
3.
県内の比較的高濃度の空間線量が計測された地域の子供たちの甲状腺検査実施についても福島県の子供たちへの検査でも異常はほとんどみられず、福島県県民健康管理調査などをみながら検討したいとのご回答でした。
4.
がんの予防という観点から、この問題を岩手県がん対策推進計画の一環として取り組むことについては、委員の皆さんの意見を踏まえながら考えて行きたいということでした。
 


ところがこの後の新聞報道などで、今年4月に行われた福島県民健康管理調査結果によると、36%の子供たちの甲状腺にのう胞が見られ、この値はチェルノブイリの子供たちの調査結果と比較しても大変高い数値で、政府は福島県から遠い他地域の子供たちにも甲状腺異常について検査を行い、福島原発事故との因果関係を調査せざるを得なくなっている状況であることが明らかになりました。

 

さらに、今年2012.9.11に、福島県の3回目の甲状腺検査結果が発表されました。
これは1、2回目の検査対象だった原発周辺地域から、より遠い福島市の子どもが対象です。しかし、上記資料4頁目の2のグラフに示されていますが、今回は、
...
6?10歳の女子の54.1%、11?15歳の女子の55.3%に甲状腺の異変が見つかりました。
これは、1回目の30%、2回目の35%に比べても、突出した数字です。
山下俊一氏が、2000年に長崎の子どもを検査した結果(0.8%にのう胞)や、事故から5?10年後のチェルノブイリの子どもを検査した結果(0.5%にのう胞)と比較しても、途方もなく高い数字です(その詳細は松崎医師の意見書参照)。
また、3万8千人の中から初めて1人が甲状腺ガンと診断されました。通常なら子どもの甲状腺ガンは百万人に1人と言われています。明らかに福島の子どもたちに異変が発生しています。2012.9.11に、福島県の3回目の甲状腺検査結果が発表されました。
これは1、2回目の検査対象だった原発周辺地域から、より遠い福島市の子どもが対象です。しかし、上記資料4頁目の2のグラフに示されていますが、今回は、
...
6?10歳の女子の54.1%、11?15歳の女子の55.3%に甲状腺の異変が見つかりました。
これは、1回目の30%、2回目の35%に比べても、突出した数字です。
山下俊一氏が、2000年に長崎の子どもを検査した結果(0.8%にのう胞)や、事故から5?10年後のチェルノブイリの子どもを検査した結果(0.5%にのう胞)と比較しても、途方もなく高い数字です(その詳細は松崎医師の意見書参照)。
また、3万8千人の中から初めて1人が甲状腺ガンと診断されました。通常なら子どもの甲状腺ガンは百万人に1人と言われています。明らかに福島の子どもたちに異変が発生しています。9月に福島県の3回目の甲状腺検査結果が発表され、これは1、2回目の検査対象だった原発周辺地域から、より遠い福島市の子どもが対象ですが、今回は、6歳から10歳の女子の54.1%、11歳から15歳の女子の55.3%に甲状腺の異変が見つかりました。

 

これは、1回目の30%、2回目の35%に比べても、突出した数字です。

また、3万8千人の中から初めて1人が甲状腺ガンと診断されました。

通常なら子どもの甲状腺ガンは百万人に1人と言われています。

 

このような福島の現状から、岩手の線量の比較的高い地域の子供たちの甲状腺検査も行う重要性が増していると考えられることから、9月28日に開催された第12岩手県がん対策推進協議会で、甲状腺検査の再検討をお願いしました。

 

                     記

 

「岩手県南地域の子供たちへの甲状腺検査のお願い」につきましては、福島県で行われている甲状腺検査の結果、健康への影響は極めて少ないと考えられるとのことですが、添付の最近の新聞記事などにみられます通り、これまで福島県内で3度行われた同検査で、福島の子供たちに少なからず甲状腺への影響が検査の回を重ねるごとに増加していると思われますので、ぜひ同検査結果の再考、再検討をお願い申し上げ、岩手県内でも比較的高濃度の空間線量が計測された県南地域の子供たちについて重点的に甲状腺検査を実施し、結果を公表していただくことを再度お願い申し上げます。

 

「岩手県内の子供たちの尿中放射性物質サンプリング調査において放射性物質が検出された子供たちについて常時給食を摂取しているか否かなど詳細調査についてのお願い」につきましても、ご回答の通りさまざまな困難な問題があるかとは思いますが、添付の週刊誌記事に見られます通り、福島県の市民団体が昨年9月に行った福島、宮城、岩手、栃木、千葉各県の高線量地域で尿検査を実施した結果、これまでで最も高い数値が出たのが、岩手県内の4歳の女児であった、ということから、やはりできるだけ詳細な調査が必要と思われますのでこちらについても再度ご検討をお願い申し上げます。

  

                                 写真:米国のニュースサイト「ビジネス・インサイダ一」 より                                                    36Percent Of Fukushima children

                                            Have Abnormal Growths From Radiation Exposure

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 岩手日報 2012.9.29

 

 

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